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たとえ世界を知らぬ井の中の蛙だとしても
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久しぶりの更新。
前回から三ヶ月、だと……?

取り敢えず書きたいところだけ、短くても書いてみることにした。
ネタなのか、何なのか……。










 この女、頭大丈夫か?

 それがルーク・フォン・ファブレがティア・グランツに抱いた第二印象だった。
 第一印象は不法侵入者。そこに足して誘拐犯。しかも現在進行形なのに本人全く気にしてないと来た。というか、無自覚。
 そこまでは第一印象は変わらなかった。変わる要素もなかった。ただ、犯罪者と一緒なのは早くどうにかしたいな、ぐらいは思っていたけれど。
 ここは危険だから、とティア・グランツに促されるようにして移動を開始した直後、襲ってきた魔物を見ての一言で、彼女に対する第二印象は決定した。
 武器を握れ、と。奴はそう言ってきたのだ。さして攻撃力があるとは思えない、どころか魔物に通用するのか疑問な木刀のみを帯剣していることを解っていて。
 つまりあれか、自分の身は自分で守れ、と。
 実力不足のくせに不法侵入して誘拐働くなよ、と声を大にして言いたい。言いたいが、今ここで言ったら確実にヒステリックな声で反論されるだろう。自分は誘拐なんてしていない、と。
 溜息を吐きつつ木刀を構えると、あろう事かティア・グランツは魔物と逆、つまりルークの後方へと下がったのだ。





 …………あれ?





 冷や汗が頬を伝う。
 魔物と直に目が合う。
 暢気に歌が聞こえてきた。
 魔物が、大地を踏み締める四肢に力を入れたのが解った。
「っ、ぎゃあぁーっ!」
 みっともなくともいい、生命が助かるならば。その精神に則り、悲鳴を上げて魔物と反対方向へと走り出す。
「っ、ちょっと、ちゃんと戦って!」
「無理ムリむりむぅりぃーっ!」
 ティア・グランツの非難もなんのその。三十六計逃げるにしかず。立派な戦法だ。恐らく。
 魔物なんて今の今まで全く見たこと無かったのだ。戦闘? 何それ美味しいの?
 お遊び剣術で特攻出来るか。
 近くの木によじ登り、早くこの時間が過ぎることを願う。
 と言うかお願い夢なら早く醒めやがれ。










常識人の溜息
(あ、倖せ逃げた)
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