たとえ世界を知らぬ井の中の蛙だとしても
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行ってきました教習所。
めっさ久しぶりだったので、かーなーり、忘れてた!
うむむ、やはり定期的に行かないと駄目か。
それではお待たせしました(誰も待ってない)
焔の王第二話をお届けします。
めっさ久しぶりだったので、かーなーり、忘れてた!
うむむ、やはり定期的に行かないと駄目か。
それではお待たせしました(誰も待ってない)
焔の王第二話をお届けします。
ちなみにルーク君は逆行してます(今言うか)
頬を撫でる、湿った土の匂いが混ざった風に気付き、ルークは瞼を押し上げた。途端、視界に雪崩れ込んでくる橙色の光。
日暮れの色か、と気付くと同時、重たい身体を起き上がらせて辺りを見回す。
緑色の草が群生し、土の色を隠すこの場所を、ルークは知っている。
「タタル渓谷、か…………」
朱色の髪を吹き抜ける風に遊ばせながら呟く。
始まったんだな、と独りごち、ルークはぞんざいに前髪を掻き上げた。
時は少し遡る。
レムデーカン・レム・23の日、キムラスカ=ランバルディア王国の首都バチカルにあるファブレ邸の中庭にて、ルークは剣の師匠であるヴァンの指導を受けていた。
起きた時間も時間であったため、多少影が長くなり始めている。そんな時間帯。
導師イオンが行方不明なため、捜索の任に着くことになったヴァンに、別れの前の指導を頼んだのだ。頼んだ、とは言っても、向こうから言い出してきたのだが。
「うむ、なかなか上手くなったではないか」
「ありがとうございます、師匠 」
満面の笑みを浮かべ、ヴァンの言葉に返すルーク。それを満足そうに見ながら、ヴァンは更なる指導のために唇を開こうとした。
トゥエ レイ ズェ クロア リュオ トゥエ ズェ
どこからともなく、美しい旋律が流れ出す。それは鼓膜を、空気を、そして音素を震わせる歌。
――――――――深淵へと誘う旋律。
「この声は……!」
ヴァンが歌い手の声に気が付く。
ルークの待ちに待った時がやってきたのだ。それを感じ取り、誰にも気付かれないようにルークはうっすらと笑みを浮かべる。
「これは譜歌じゃ! お屋敷に第七音譜術士 が入り込んだかっ!」
「くそ……眠気が襲ってくる。何をやってるんだ、警備兵たちは!」
庭師のペール、そしてガイの声が聞こえるが、ルークはそれらの音に関心を向けなかった。ただただ、その時が訪れるのを待っていた。
やがて、長い髪の少女が屋敷の屋根の上に現れる。
黒い神託の盾 騎士団の服を着た少女は、歌声よりも若干高めの声で言葉を紡いだ。
「ようやく見つけたわ。……裏切り者ヴァンデスデルカ」
「やはりおまえか、ティア!」
ティアと呼ばれた少女は、屋根より降りてヴァンにロッドで殴りかかる。
それをヴァンが何とか躱すのとどちらが早いか、ルークが駆けだした。
木刀を握りしめ、ティアへと振りかぶる。
「何なんだよ、おまえはぁっ!」
「いかん! やめろ!」
ヴァンの制止の声が聞こえたが、それを意に介さずに振り下ろす。
ティアは木刀の一撃をロッドを構えて受け止め、そして。
光が二人を包み込み、その場から消し去ってしまった。
その光の中、ルークが浮かべた笑みを見た者は誰もおらず。
呆然とした観客 だけがその場に残された。
日暮れの空を眺めながら、ルークは溜息を吐く。
自分の目が覚めても、隣にいる少女を放っては行けない、と。
それはただのお人好しの性格のためだけではない。放っておけば、後から何を言い、何をしでかすか。
「ヴァン師匠 …………オレにかまけてる暇があったら、妹の教育をしてやってくれればよかったのに」
自分と同じ、いや、それ以上に彼女は世間知らずなのだから。
そう心内で独りごち、ルークはもう一度溜息を吐くと、少女が目覚めるまでもう一眠りしよう、と土の上に身体を転がし目を閉じた。
タタル渓谷へ到着。
でも内容はほとんど進んでない罠。
頬を撫でる、湿った土の匂いが混ざった風に気付き、ルークは瞼を押し上げた。途端、視界に雪崩れ込んでくる橙色の光。
日暮れの色か、と気付くと同時、重たい身体を起き上がらせて辺りを見回す。
緑色の草が群生し、土の色を隠すこの場所を、ルークは知っている。
「タタル渓谷、か…………」
朱色の髪を吹き抜ける風に遊ばせながら呟く。
始まったんだな、と独りごち、ルークはぞんざいに前髪を掻き上げた。
時は少し遡る。
レムデーカン・レム・23の日、キムラスカ=ランバルディア王国の首都バチカルにあるファブレ邸の中庭にて、ルークは剣の師匠であるヴァンの指導を受けていた。
起きた時間も時間であったため、多少影が長くなり始めている。そんな時間帯。
導師イオンが行方不明なため、捜索の任に着くことになったヴァンに、別れの前の指導を頼んだのだ。頼んだ、とは言っても、向こうから言い出してきたのだが。
「うむ、なかなか上手くなったではないか」
「ありがとうございます、
満面の笑みを浮かべ、ヴァンの言葉に返すルーク。それを満足そうに見ながら、ヴァンは更なる指導のために唇を開こうとした。
トゥエ レイ ズェ クロア リュオ トゥエ ズェ
どこからともなく、美しい旋律が流れ出す。それは鼓膜を、空気を、そして音素を震わせる歌。
――――――――深淵へと誘う旋律。
「この声は……!」
ヴァンが歌い手の声に気が付く。
ルークの待ちに待った時がやってきたのだ。それを感じ取り、誰にも気付かれないようにルークはうっすらと笑みを浮かべる。
「これは譜歌じゃ! お屋敷に
「くそ……眠気が襲ってくる。何をやってるんだ、警備兵たちは!」
庭師のペール、そしてガイの声が聞こえるが、ルークはそれらの音に関心を向けなかった。ただただ、その時が訪れるのを待っていた。
やがて、長い髪の少女が屋敷の屋根の上に現れる。
黒い
「ようやく見つけたわ。……裏切り者ヴァンデスデルカ」
「やはりおまえか、ティア!」
ティアと呼ばれた少女は、屋根より降りてヴァンにロッドで殴りかかる。
それをヴァンが何とか躱すのとどちらが早いか、ルークが駆けだした。
木刀を握りしめ、ティアへと振りかぶる。
「何なんだよ、おまえはぁっ!」
「いかん! やめろ!」
ヴァンの制止の声が聞こえたが、それを意に介さずに振り下ろす。
ティアは木刀の一撃をロッドを構えて受け止め、そして。
光が二人を包み込み、その場から消し去ってしまった。
その光の中、ルークが浮かべた笑みを見た者は誰もおらず。
呆然とした
日暮れの空を眺めながら、ルークは溜息を吐く。
自分の目が覚めても、隣にいる少女を放っては行けない、と。
それはただのお人好しの性格のためだけではない。放っておけば、後から何を言い、何をしでかすか。
「ヴァン
自分と同じ、いや、それ以上に彼女は世間知らずなのだから。
そう心内で独りごち、ルークはもう一度溜息を吐くと、少女が目覚めるまでもう一眠りしよう、と土の上に身体を転がし目を閉じた。
タタル渓谷へ到着。
でも内容はほとんど進んでない罠。
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