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たとえ世界を知らぬ井の中の蛙だとしても
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先日のちょこっと書きが楽しかったのでまたやってみた。
ちょこちょこと書くっていうのもいいかなぁ。










 こいつら頭大丈夫か。

 それが作戦を聞いた時、頭に過ぎった最初の言葉だった。
 考えたのは五名中二名。恐らく年少組。恐らくというのは、多分一番小さく見える少女もある程度年齢があるだろうからで。
 まあそれはさておき。
 同じ事を考えたらしいと気付いた鮮血のアッシュと疾風のシンクは揃って顔を見合わせる。
 伝えられた作戦はこうだ。
 『マルクトに誘拐された導師イオンの奪還。導師は現在戦艦タルタロスにて移動中。戦艦に乗っている者を殲滅し、導師を奪還せよ』。
 ……多少端折ったり意訳してみたが、大まかにはあっているだろう。
 つまりあれだ。この作戦を考えた奴は、マルクトと戦争がしたいらしい。一人で勝手にやってろ。
 音を立てて椅子から立ち上がると、鮮血のアッシュは残る大人二人を見た。
 ちなみに、同僚たる少女の方には視線を向けない。彼女は言われたからやる、のだろう。つまりまぁ、考え直させるのは大人二人だ。
「俺はその作戦、乗らんぞ。マルクトに喧嘩を売るなんざ、馬鹿でもやらねぇ」
「同じく。全く、どうかしてるんじゃないの」
 疾風のシンクもそう言えば、眉間に皺を刻んだ魔弾のリグレットが反論する。
「先に仕掛けたのは相手だ」
 同意するように黒獅子ラルゴが頷く。
「だからってね、乗員皆殺しなんてしてみなよ。マルクトとの戦争まっしぐらだよ」
「預言にはそんなこと書いていない」





 おいおい、本気かよ。





 曲がりなりにも自分たちは、その預言を壊す為に、無くす為に集まったんじゃなかったのか。
 それなのに預言をあてにするとか、本末転倒もいいところでは。
 鮮血のアッシュは無言で椅子を片付け、扉に向かう。
 その背後では、疾風のシンクが同じように立ち上がり、事態が飲み込めていないらしい妖獣のアリエッタを促し、鮮血のアッシュの後を追おうとしている。
 両名の意見は同じだ。










常識人の苦悩
(ああ、神託の盾騎士団、潰れるな)
(次の就職先見つけないと駄目かな)
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