消えぬ焔はなく、

昨日に引き続き、一人サン○ラ×深淵祭り！

今回は本編とは全く関係ありません。
曲の中身を重視してみた。
そしてまたしてもカプ色皆無。
大量に歌詞を引用しております。
たまに少し変わっていたりもします。

　二人の『聖なる焔の光（ルーク）』、沈むのはいずれか…………。




















　気高き焔の光と称されし、キムラスカ＝ランバルディア王国ファブレ公爵家の子息、ルーク・フォン・ファブレの言。

「我が祖国（くに）の為、そこに生きる多くの民の為、オレは必ず『真なる焔の光』となり、このキムラスカ＝ランバルディアに繁栄をもたらそう！　この青き王家の血に誓って！」

　優しき焔の光と称されし、マルクト帝国ネイス侯爵家の子息、ルーク・バラッド・ネイスの言。

「オレが望むのはただ一つ。みんなの倖せだけ。だからこそ、オレはローレライの遺産を手に入れて、このマルクトに繁栄をもたらしたい。オレに優しくしてくれるみんなの為に」

　紅く燃え上がる気高き焔の光。その胸に抱くは強き責任感。
　蒼く湧き出づる優しき焔の光。その胸に抱くは優しき感謝の心。

　諸侯を巻き込んで大地に蠢く影は、権謀の黒き獣（ベスティア）。争いの宴（フェスタ）は続く……。




















　預言（スコア）を信奉し、預言（スコア）に従い、そうして暮らすオールドラントの住民。
　彼らにその預言（スコア）が与えられたのは新創世暦２０００年のことだった。

『ND2000、ローレライの力を継ぐ者、誕生す。其は赤い髪の男児なり。名を聖なる焔の光と称す。
　彼はローレライより遺産を受け取り、真なる焔の光となり、国を新たな繁栄へ導くだろう』

　その預言（スコア）と共に、キムラスカ＝ランバルディア王国ファブレ公爵家とマルクト帝国ネイス侯爵家に二人の男児が生まれる。
　どちらも見事な赤い髪を持ち、ローレライと同音素振動数という、世界に稀な同位体としてローレライの力を有していた。
　両国が繁栄を求め、ローレライの遺産を探し始めたのは新創世暦２０１１年のこと。
　どちらも自国の『聖なる焔の光（ルーク）』を『真なる焔の光』とし、相手国を追い落とそうと様々な手段を講じる。
　先に成果があったのは、キムラスカ＝ランバルディア王国の方であった。
　マルクトに忍ばせていた手の者がネイス家に接触、入り込むことに成功する。その後、裏工作を行い、ネイス家を逆賊にすることに成功。
　逆賊としてネイス一門を処刑。
　キムラスカと結託しその手引きをし、あまつさえ逃亡を図った国賊としてネイス侯爵家子息を処断。

「ルーク……あなたは誰よりも素晴らしき『聖なる焔の光』です。私の力が及ばないばかりに…………。せめて、あなただけでも逃げなさい」




















「騙し騙され……殺し殺され……よく飽きもせぬものだ……。全ては遊戯（ゲーム）に過ぎぬ……我を生み堕とした……この世界に復讐する為のな……！」




















　逃げる焔と、追いかける兵士（ベスティア）。
　紅糸で手繰る、操り人形（マリオネッタ）。
　繰り返される歌劇（リリカ）、悲劇（トラジェディア）。
　紅糸で手繰る、操り人形（マリオネッタ）。

「…………あっ！」
「逃亡もここまでだな」

　牙を剥いた悪意（ベスティア）、追い詰められた断崖。
　願いを奪われた焔の光。世界までも奪われ……。

「――――――――父上！」

　蒼い空、碧い海、沈み逝く焔。




















　ルーク・バラッド・ネイスの没後、ローレライの遺産を手にし『真なる焔の光』となったルーク・フォン・ファブレは僅か三年の後、鉱山の町アクゼリュスと共に魔界（クリフォト）に沈む。

　君よ、驕る事なかれ。
　我等歴史という大海に漂う小舟に過ぎぬ。
　盛者必衰、沈マヌ者ハナシ…………。